【すが漏りとは？雨漏りとすが漏りの違い】株式会社阿部板金工業公式ＨＰ

「すが漏りとは？」雨漏りとすが漏りの違い

すが漏りと雨漏り　なにが違う？

これは雨漏り？すが漏り？

　〇すが漏りが発生するのは寒い冬だけ

雨が降ったら、屋根から水が漏れてきた！
雪が積もっているだけなのに、屋根から水が漏れてきた！
雨漏りとすが漏り、どちらも水が屋根から建物内部に侵入してしまう事には変わりませんが、
その原因とメカニズムには大きな違いがあります。

　〇雨漏り

雨漏りの原因は、屋根に穴が空いている、劣化して破損しているなどの理由で、
雨が降るたびに水が屋根内部にまで侵入してしまうことを言います。　
単純に「壊れている」か「劣化している」ということが殆どの原因です。

　〇すが漏り
すが漏り(すが漏れ)は、雪や氷等が屋根に留まることで屋根の排水が妨げられ、
たまった水が行き場をなくして屋根材の接合部等から屋根内部に侵入してしまうことを言います。
漏水箇所が接合部なので、表面などの外見に異常が見られなくても発生してしまうケースが多くあります。

すが漏りの発生メカニズム

　〇すが漏りはどうやって発生する？

寒い時期、雪が降ることで起こるすが漏りの主な原因は以下のようなものです。
　１、雪が降って屋根に積雪する
　２、屋内の暖房の熱が屋根に伝わる
　３、積もった雪が少しずつ溶けて水になる
　４、外気に晒される軒先付近で冷やされて氷の塊になる
　５、氷の塊がダムの役割をして排水できなくなる
　６、水がどんどん溜まって屋根材接合部に侵入し室内に漏れる

すが漏りの発生メカニズム
上記のように、冬の屋根の上では「雪」から「水」へ、「水」から「氷」へという変化が起ることがすが漏りの主な原因です。
すが漏りの起る屋根は、築年数の古い住宅によく起ります。それは建物自体の断熱効果が低いのと、使用している屋根材の防水能力が低いのが大きな原因です

すが漏り発生時の実際の写真
夏場の雨は十分に排水できるため、防水能力が低くても中々雨漏りには繋がりませんが、氷のダムで数センチも水に浸ってしまう程になると、
ほんのわずかな隙間からでも水は浸入してしまい、すが漏れの発生となってしまうのです。

屋根に発生した厚さ10センチ以上の氷
すが漏り(すが漏れ)のご相談で対応させていただいたお客様の屋根の状況写真です。
積雪を除去すると、厚さ10センチ以上の氷の層が出てくることもよくあります

すが漏りを起こしやすい屋根の条件とは？

　〇すが漏りを起こしやすい条件は概ね６つ

　　　①築年数が１５年以上経過している
　　　②屋根の勾配が緩くて雪落ちが悪い(雪が溜まっている)
　　　③屋根の形状がパラペットタイプである
　　　④雪止め金具が設置されている
　　　⑤日当たりの悪い場所に屋根がある(西向きや北向き)
　　　⑥軒先に頻繁につららが出来る。

すが漏りを防ぐには

すが漏りを防ぐには「雪下ろし・屋根の除雪」をするのが一番効果的です。
すが漏りが発生してしまう屋根は防水能力が低下していますので、水が溜まらないよう雪と氷を除去してあげる必要があります。
逆にいうと、屋根の排水能力さえ回復させてあげれば、すが漏りは防ぐことが出来ると行っても過言ではありません。

しかし、あまりに毎年すが漏りするようであれば、水密工法での葺き替えの検討をお勧めします。
防水能力の高い水密工法の屋根材を使用すれば、すが漏りの発生はほぼありません。
参考：水密工法【平成ルーフ】

屋根の雪下ろしは、プロに依頼ましょう

自宅の雪下ろしをご自分でなさる方もいらっしゃるのですが、当社ではお勧めできません。
それは色々な意味で「危険」だからです。

◆滑落の危険
毎年、屋根の雪下ろしの最中に滑落して死亡されるニュースが必ずあります。
積雪した屋根の上に登ることは、プロの私たちでさえ普段以上の緊張を感じますし、危険を意識します。
毎年やっていて、いくら慣れているから大丈夫と思っていても、一度でも滑落してしまえばタダでは済みません。

◆屋根を破損する危険
雪下ろし作業において、氷を割るのに一緒に屋根まで傷つけてしまった、穴を空けてしまったというご相談も多く寄せられます。
せっかく雪を下ろしてすが漏りを解消しても、穴があいては雨漏りの原因になってしまいます。】

参考資料：国土交通省「豪雪地帯の現状」参考資料２：雪害による現状国土交通省「豪雪地帯の現状」参考資料２：雪害による被害
上記のH23年～H25年の統計からみても、雪害による“人的被害”の７３％が屋根の雪下ろし等の作業中に事故を起こし、年平均で80人の方が命を落としています。